大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2734号 判決

原審第二回公判調書を査閲するに原審がその審判の当初において所論指摘の被告人に対する司法警察員並びに検察官作成に係る各供述調書について検察官の証拠調請求に関し被告人及び弁護人の異議があつた為これが証拠調の決定を留保したことは所論のとおりであるが原審はその公判の終りにおいて被告人及び弁護人の右異議の申立を排斥して該各供述調書を取り調べる旨の決定を為し検察官をしてこれに基ずき前記各書証を朗読かつ展示せしめもつて証拠調を履践したことも明白なところである。尤も右第二回公判調書には特に被告人及び弁護人の異議申立を却下した旨を明記していないが前敍の証拠調に関する経過を考察すればこれが決定の為された事跡を推認するに難くなく従つて特に斯る記載なき故をもつて該決定が為されなかつたとの非難は当らない。

然らば所論指摘の各供述調書についてその証拠調べなくまた被告人及び弁護人の異議申立についても何等許否の決定の為されなかつたことを前提とする主張の下に原審には刑事訴訟法第三百五条、第三百九条第二項、憲法第三十一条に違反し若しくは審理不尽の廉があるとの非難の理由のないことは自ら明かなるべく而してなお右各供述調書については原審はその形式内容その他原審において取り調べた証拠に照し原審の有する所謂証拠の価値判断に関し健全なる合理的の自由裁量権に基ずいて任意性並びに真実性を有するものと認め即ち刑事訴訟法第三百二十二条の規定の趣旨に適合する証拠と認めて断罪の資料に供したものと推考せられるから所論原審が証拠能力のない書証を事実認定の証拠に引用したとの非難も当らない。

論旨は結局いずれも理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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